何かの匂いを嗅いだとき、それに関する記憶がふいに蘇ったりすることがあります。それは、脳において嗅覚と感情を司る場所が近い位置にあるためと言われています。つまり匂いからその時の感情をもつに至った経験を思い出すようです。
また、嗅覚は視覚や聴覚に比べて長い間記憶に留まるということも実験で証明されています。
独自の香りで嗅覚からブランドコンセプトを顧客に訴求する「香り」マーケティングが注目されています。
昨年12月に銀座にopenした、米アパレルブランドAbercrombie & Fitch(アバクロンビー フィッチ)のブランドイメージ戦略は、独自の世界観に基づいた店づくりを行い、ディスプレーや照明の工夫といった視覚的な効果や、若者に人気の音楽をBGMとして流す聴覚的な効果に加え、ブランドイメージと結びついた<香り>を店内に漂わせ、来店客への印象付けを行っています。
視覚や聴覚といった人間の感覚に加え、これまであまりアプローチがなされなかった五感の一つでる「嗅覚」への刺激を、オリジナルの香りを使った演出によって行っているようです。
この様に、企業やショップが自社のブランドイメージに基づいて独自に開発した香りを<ブランド・セント>と呼んでいます。企業やショップのブランドイメージを、嗅覚を刺激する香りによって顧客に伝えるのです。
商品やサービスを提供する場所で、そのブランド・セントが流れていれば、顧客はその香りをブランドイメージとして印象深く記憶することとなります。そして再びその場所を訪れた際には、たちまち「ああ、あの香りだ」と思い出す事になるでしょう。あるいは、どこか別の場所でそれに近い香りに接した時にも、直ちに記憶が蘇ってきて、その香りと結びついた企業やショップを思い出す事になるのです。
またあるマーケティング手法の中でもこのブランド・セントを活用する方法は、個々の顧客と感情的な部分でより深いつながりを築き、かつ他社との差別化をはかることができることから、今、最も注目を集めています。
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